野菜ってどんな感じで袋に入ってるっけ?

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私が、有機野菜を栽培するようになってからおよそ二か月。小松菜はなんとか収穫できるくらいまで生育してきた。(それを今写真で振り返ると、一株ごとの生育がまばらで大きさが全然揃っていない…これはまたブログに書きます。)

いよいよ収穫という日の朝はドキドキしていました。「ついに農家になって初めての収穫だ…記念すべき日だ…」早朝、畑へと向かい小松菜の収穫を始めます。この時も、収穫にはハサミしか道具はないと思っていました(実際は包丁や鎌…あるいは収穫機など、品目や規模に合わせて収穫方法は様々です。)。ホームセンターで揃えた収穫道具とコンテナを使用して、小松菜を収穫していきます。

収穫しているときはとてもワクワクしていたのを覚えています。このワクワク感というのは、農業に携わっている人、農作物の栽培が好きな人には共感してもらえる瞬間だと思います。10年経った今でも、このワクワク感は必ずどこかにあって、つらい状況でも収穫へと向かう自分の背中を押してくれている気がします。

ただ、当時は何も考えずにひたすら収穫というものをしていました。野菜から出ている根もかなり残っていたし、絶対出荷しないであろう小さな小さな小松菜もコンテナに入れていくし、葉の生育状況・害虫の被害の有無など全く確認しないし…。それでも、30分くらいかけて2コンテナ分を収穫しました。

家へと帰り、出荷の準備を始めます。コンテナに板を乗せただけの簡易テーブルの上に収穫してきた小松菜を並べて、「すごい、こんなに収穫できた…。」そう感動していました。そして、クリアファイルを使用して小松菜を包み、ボードン袋という曇りにくい包装袋へと入れていきます。セロテープでピッと留めれば私の農園の商品の完成です。およそ30パックほど仕上がり、買ったばかりの中古の軽トラックに積んで、近くの道の駅へと納品に行きました。

多くの道の駅はそうだと思いますが、ある程度お店の方と相談したら、自分で商品に値段をつけて、自分で陳列します。その日もお店に入って納品を始めると、予想外のお言葉が…。

お店の女性の方が「ちょっと待って、これじゃだめよ!」と私の商品を手に取って言いました。はじめ、自分が何を言われているのかがわからず「え、え?え??え???」と困惑していました。「この双葉の葉っぱはきちんと取らないとお客さんが古い野菜だと思うでしょ?」

確かに、袋に詰められた私の小松菜は、ある程度雨風によって変色した葉や土などの汚れは落としていましたが、双葉はそのままでした。私はスーパーで売られている野菜をいままでたくさん見てきたのに、その野菜の双葉は農家さんがすべて(ほとんどが手作業で)取られていたのだと、その日に初めて知ることになりました。その道の駅の方々はとても親切で、困った表情を浮かべながらも、別室で双葉を取り除く作業台とハサミなど用意してくださり、納品することができました。

双葉を取り除く作業をしている間は、「本当にそんなにきれいにしなくちゃいけないの?」と半信半疑でした。本当に知見が無かったと今振り返ると恥ずかしい思いです。やっと陳列できるころにはお店にはおしゃれな音楽が流れ始め、お客さんがお買い物をゆっくりと楽しんでいる頃でした。どこか恥ずかしくなり早くお店を出ようと歩きながらふと見た他の農家さんの野菜がとても美しく見えたのをいまでもよく覚えています。

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